ハイエース200系(1/2/3型ガソリンエンジン)のオーナーにとって、エンジンのウォーターバイパスパイプからの水漏れは避けて通れない問題かもしれません。
特にこの車種におけるウォーターバイパスパイプは樹脂製であり、時間の経過と共に劣化や損傷が生じやすいことが、水漏れの一因となっています。
このような水漏れを放置しておくと、エンジンに重大な損害を引き起こすリスクがあり、結果として修理費用が高額になる可能性もあります。
しかし、適切な対処法と事前の準備をもってすれば、自分で修理を行うことが可能です。
この記事では、ハイエース200系のウォーターバイパスパイプの交換手順を、詳しく解説します。
水漏れの確認
ウォーターバイパスパイプとは、エンジンの冷却システムの一部で、冷却水が循環するためのパイプです。
このパイプは、エンジンのインテークマニホールドの内側を通っています。
インテークマニホールドは、助手席側のエンジンルーム内にあるカバーを開けることで視認することができます。
ウォーターバイパスパイプの付け根のところから、水漏れを起こすことが多いです。
交換する部品
交換する部品は以下の通りです。
- ウォーターバイパスパイプ
- ウォーターバイパスパイプのガスケット、取付ボルト
- ウォーターバイパスホース ×2本
- インテークマニホールドのガスケット
- スロットルボディのガスケット
- サーモスタット
- サーモスタットのガスケット
- 冷却水(ロングライフクーラント)
新品のウォーターバイパスパイプです。金属製に変更されています。
ウォーターバイパスパイプの取り外し
交換作業を始める前にラジエータードレンプラグを緩めて冷却水を抜いておきます。
スロットルボディに繋がっているエアダクトを外します。
10㎜のボルト、ナットを緩めてスロットルボディを外します。
スロットルボディに繋がっているウォーターホースを2本外します。
フューエルホース、ハーネスのクランプ、バキュームバルブのカプラーなど、インテークマニホールドの周りの部品を外します。
インテークマニホールドを固定している、ボルト、ナットを外します。
マニホールド横に付いているホースを外します。
ATFのレベルゲージを外します。
インテークマニホールドを取り外します。
ウォーターバイパスパイプは12㎜のナット2個と12㎜のボルト1本で固定されています。
ウォーターバイパスパイプに繋がっている2本のホースも交換します。
12㎜のボルト、ナットを緩めてサーモスタットのケースを外します。
サーモスタットとガスケットを外します。
取り外した部品です。
ウォーターバイパスパイプの取付
外した時の逆の順番で取り付けていきます。
新品のサーモスタットを取り付けます。(ジグル弁が上になるように取り付けます)
新品のウォーターバイパスパイプを取り付けます。
ウォーターバイパスホース2本も新品に交換します。
新品のガスケットをインテークマニホールドに取り付けます。
インテークマニホールドを元に戻します。
インテークマニホールドを固定する前に横のホースを差し込んで取り付けておきます。
スロットルボディのガスケットを新品に交換します。
スロットルボディを取り付ける前にクリーナーでキレイに清掃しておきます。
スロットルボディとフューエルホースを取り付けます。
インテークマニホールド周りの部品を元に戻します。
ラジエータのドレンプラグを締め付けて、冷却水を補充します。
冷却水のエア抜き
冷却水のエア抜き方法はボンネット裏に記載されています。
冷却水をリザーブタンク満タンまで入れます。
スロットルボディに繋がっている、ウォーターホースを1本外します。
外したホースから冷却水が出てくるまで補充する。その後ホースを接続します。
リザーブタンクのBラインまで冷却水を補充します。
エンジンを暖気して電動ファンが回るまで回します。
エンジンを停止して冷えた状態でリザーブタンクのFULLのラインに合わせます。
まとめ
ハイエース200系のウォーターバイパスパイプからの水漏れは、単なる小さな不具合ではありません。
樹脂製のパイプは経年劣化により水漏れを起こしやすく、この問題を放置すると、エンジンのオーバーヒートを引き起こす大きなリスクがあります。
オーバーヒートはエンジンに重大なダメージを与え、最悪の場合、エンジンの全面的な交換が必要になることもあります。
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