エンジンがかからなくなった車両の修理事例を紹介します。
車両は平成22年式トヨタパッソ(KGC30)で走行距離75000kmです。
現象を確認すると、セルモーターは勢いよく回るのでバッテリーは正常と判断しました。
また初爆もありませんでした。
エンジンがかからない原因
セルモーターが回るのにエンジンがかからない場合の原因として考えらるのは
- 点火系統(火花が飛んでいない)
- 燃料系統
他にもたくさんの原因が考えられるのですが、この2つの系統が原因の場合がほとんどです。
ですので、まず「どちらの系統が原因なのか」絞っていきます。
一番簡単な方法として、強制的にエンジンに燃料を送り込むやり方があります。
まずスロットルの上に取り付けられているエアクリーナーボックスを外します。
次にスロットルに直接パーツクリーナーを少し吹きつけます。
すぐにセルモーターを回し、一瞬でもエンジンがかかれば点火系統は異常なしという事になります。
ですので原因は燃料系統(エンジンに燃料がきていない)にあることがわかりました。
燃料系統というと燃料ポンプが真っ先に思い浮かびますが、ポンプまで電源がきていないことも考えられます。
燃料ポンプは後席シート下に取り付けられています。
燃料ポンプカプラーの黒/白の配線が電源なので、そこまで電気がきているか点検します。
配線の被覆の上から測れるテストプローブを使用しました。
この状態でセルモーターを回してみると、燃料ポンプまで電気がきていました。
これで燃料ポンプ本体が故障原因と断定できました。
燃料ポンプの交換
後席シート前のカバーを取り外します。(横にスライドすると外れます)
12mmのボルトを緩めて後席シートを外すます。
後席シート下のカーペットをめくると燃料ポンプにアクセスするためのサービスホールが見えます。
サービスホール上のカバーを外します。
サービスホールの蓋を外します。(ブチルテープで固定されています)
燃料ポンプのカプラーを外します。
燃料ホースは矢印の方向に押し込みながらロックを縮めると外れます。
もう片方のホースもクランプを縮めて外します。
燃料ポンプを固定している8mmボルトを緩めます。
燃料ポンプを上に持ち上げて外します。
フューエルゲージ部分を新品の燃料ポンプに移植します。
矢印の方向に差し込むように取り付けます。
フューエルポンプのパッキン(ガスケット)も新品に交換します。
新品の燃料ポンプをタンクに取り付けて8㎜ボルトで固定します。
燃料ホースとカプラーを取り付けます。
ここまで来たらエンジンがかかるか確認します。
イグニッションONにすると「ギューー」とポンプの駆動音がしました。
セルを回してエンジンが始動するのを確認したら、カバー、カーペット、シートを元に戻して完成です。
ポンプの電源がきていなかった場合
セルを回した時、燃料ポンプまで電気がきていなかった場合はポンプリレーなどの不良が考えられます。
燃料ポンプリレーは助手席グローブボックス奥のヒューズボックスに取り付けられています。
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