今回はエンジンがかからなくなった車両の修理事例を紹介します。
車両は2004年式のオペルアストラ。走行距離は70000kmです。
現象を確認すると、セルモーターは勢いよく回り一瞬かかりそうになるのですが、すぐにエンストします。
初爆はあるので点火系ではなく燃料系統に絞って点検します。
エンジンがかからない原因
セルモーターが回るのにエンジンがかからない場合、以下の原因が考えられます。
・燃料系統の問題:燃料が不足している、燃料ポンプが故障している、燃料噴射装置が詰まっている、燃料フィルターが詰まっているなどの原因が考えられます。
・点火系統の問題:点火プラグ、点火コイル、点火配線、点火制御装置、などの問題がある場合、エンジンが正常に始動しないことがあります。
・圧縮の問題:シリンダーの圧縮が不十分である場合、エンジンが始動しないことがあります。
今回の場合、初爆があるので燃料系統に絞って点検していきます。
簡単な方法として、強制的にエンジンに燃料を送り込む方法があります。
エンジンに燃料送り込む方法
- スロットルに接続されているエアダクトを外します。
- スロットルに直接パーツクリーナーを少し吹き付けます。
- セルモーターを回してエンジンがかかるか点検します。
実際に試してみるとエンジンがかかり、2秒くらいして止まりました。
やはり燃料がエンジンまで来ていないようです。
エンジンに燃料がきていない場合の点検方法
・ガソリンが入っているか確認する:ガソリンタンクが空ではないことを確認し、ガソリンが十分に入っていることを確認します。また、ガソリンタンクに異常がないか、タンクからのガソリン漏れがないかも確認します。
・燃料ポンプを確認する:燃料ポンプが正常に動作しているかを確認します。燃料ポンプが正常に動 作していない場合は、燃料フィルターや燃料噴射装置に問題がある可能性があります。
・燃料フィルターを確認する:燃料フィルターが詰まっている場合、燃料が十分に供給されずエンジンが始動しないことがあります。燃料フィルターに異常がないか、または燃料フィルターを交換して問題が解決するかどうかを確認します。
燃料が来ない原因
燃料ポンプが動いていないことがわかったので、ポンプまで電源がきているか確認します。
燃料ポンプは燃料タンク上から取り付けられていて、リヤシートを外すとアクセスできます。
リヤシートを外すとカバーがあるので外します。
燃料ポンプのカプラーを外して電源がきているか点検します。
分かりづらい場合は燃料ポンプのカプラー部分に直接テスター棒を当てて点検します。
点検の結果、ポンプまで電源がきていたので、燃料ポンプが原因とわかりました。
燃料ポンプの交換
まず燃料ポンプ上のホースとカプラーを外します。
ホースはロック部分を2か所内側に押し込むと外れます。
固定プレートを左に回して外します。
ゲージ部分は燃料タンクに残しておきます。
ストレーナーを外します。
ロックを3か所縮めてポンプを固定しているプラスチックの部品を外します。
プラスチックの部品を外すとポンプが外れます。
新品の燃料ポンプを取り付けます。
あとは外した時と逆の順番で組付けます。
注意点
- 燃料ポンプ交換は、燃料系に関連する作業のため、火気厳禁です。喫煙や火を使わないように注意しましょう。
- 燃料がこぼれる可能性があるため、作業場所を清潔に保ち、火災や爆発のリスクを最小限に抑えます。
- 燃料ポンプの取り付け向きを間違えないように注意してください。間違った取り付け向きでは、燃料供給が正常に行われず、エンジンの性能に影響が出ることがあります。
- 燃料ポンプ交換の作業は、専門的な知識と技術が必要です。自身で行うことに不安がある場合は、専門のメカニックに依頼することをお勧めします。
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