今回は、2015年式BMWミニクーパーF55の故障事例について解説します。
この車両では、トランスミッションに関する警告表示がダッシュボードに現れています。
走行自体には支障はなく、シフトレバーをP(パーキング)位置にしてもエンジンは正常に起動します。また、パーキングロックも正常に機能しているようです。
しかし、車を使用するたびにが警告音が鳴り、警告メッセージが表示されるため、この状態のままでは車を安心して使用することができません。
したがって、この問題に対処するための修理が必要となります。
シフトレバー、ケーブルの交換手順
BMWミニクーパーF55(2015年式)で発生したトランスミッションの問題に対処するため、シフトレバーおよびケーブルの交換手順について説明します。
診断の結果、問題はシフトレバー側にあると判明しました。
部品を調べたところ、ケーブルとセットでしか供給されていないことがわかり、部品代は7万円以上と高額です。
しかし、この問題を解決するためには部品の交換が不可欠なので、必要な部品を手配し、交換作業を行います。
シフトレバーケーブルの取り外し
シフトレバーとケーブルの交換に向けて、まずはセンターコンソールの取り外し手順を説明します。
アームレストが装備されている場合は、まずその下のカバーを外します。
まずその下のカバーを外し、次にアームレストを固定しているボルト2本を外します。
コントローラーを外してその下のビスを外します。
シフトレバーの周りにあるリングを外し、次にシフトノブを取り外します。
ノブはシフトレバーをNかDにしてから真上に引き抜きます(少し固い場合があります)。
次に左右の足元のパネルを外します。
センターコンソールを持ち上げて外します。サイドブレーキが邪魔にならないよう、限界まで引き上げておきます。
電源ソケット、AUXなどがついているパネルを外します。
これらの手順に従ってセンターコンソールを取り外すと、ケーブルが見えてきます。これで車内側の分解は完了です。
エンジンルーム側の分解
エンジンルーム側の分解手順を説明します。
まず、エアクリーナーを取り外します。これにより、シフトケーブルが見えるようになります。
次に、バッテリー周りの部品を取り外します。特にバッテリーカバーは複雑な構造をしているため、カバーの向きや位置をよく覚えておくことが重要です。
こんな感じで止ってます。画像はゴムのクランプを外したところです。
フロントマフラー上の遮熱板の裏には、ケーブルが2箇所でゴムのクランプに固定されています。この作業では、マフラーを外さずにクランプを外すことができました。
やっと外れました。
クランプを外した後、シフトケーブルを外します。このプロセスは画像を参考にすると理解しやすいです。
一部の整備士は、この作業を行う際にマフラーを外すことを選択するかもしれません。これは、クランプの取り外しと取り付けをより確実に行うためですが、時間短縮のために今回はマフラーを外さずに作業しました。
新品の取付
シフトレバーとケーブル交換作業の最終段階、新品の取り付けについて説明します。
- 新品の取り付け: 既に取り外した部品の逆順で、新しいシフトレバーとケーブルを取り付けます。注意深く、正確に作業を進めることが重要です。
- 再組み立て: 新しい部品が取り付けられたら、分解した部品を元通りに再組み立てます。エンジンルーム側の部品から始め、内装のセンターコンソールなどを組み戻していきます。
- 作業時間の反省: この作業は初めての経験だったため、予想よりも時間がかかりました。経験者ならば約2時間で完了する作業ですが、私の場合はその倍程度の時間が掛かってしまいました。ただし、次に同様の作業を行う際は、経験を生かして時間を短縮できると思います。
故障コードの消去と学習
BMWミニクーパーF55(2015年式)のシフトレバーとケーブル交換後の最終手順、故障コードの消去とシフトポジションの学習について説明します。
故障コードの消去
新しいシフトレバーとケーブルを取り付けた後、診断機を接続して故障コードを消去します。これは、車両のコンピュータシステムが以前の故障を「忘れて」新しい部品を正常に認識するために必要な手順です。
診断機をつないで故障コードを消します。
シフトポジションの学習
新しいシフトレバーの設置後、シフトポジションの学習を行います。これにより、新しい部品が車両のシステムに適切に統合され、正確な動作が保証されます。
診断機でシフトポジションの学習をします。
作業のまとめ
この記事では、2015年式BMWミニクーパーF55におけるシフトレバーとケーブルの交換プロセスを詳細に解説しました。初めての挑戦でありながら、複数の段階を通じて、センターコンソールの分解、エンジンルーム側の部品の取り外し、そして新しい部品の取り付けという一連の作業を成功させることができました。
特に重要なのは、故障コードの消去と新しいシフトポジションの学習です。これらは、新しい部品が車両システムに適切に統合されるために不可欠であり、作業の完了を意味します。
作業を通じて学んだことは、整備の経験がなくても適切な手順と注意を払えば、複雑なタスクを自分でこなすことが可能であるということです。また、部品の供給方法に関しても考察の余地があることが明らかになりました。
作業は問題なく完了しましたが、壊れていたシフトレバーの具体的な部分は特定できませんでした。この体験から、シフトレバーとケーブルを別々に供給することの重要性を感じました。
コメント