車検で入庫した車両です。タイヤを外す前にブレーキの引きずりや足回りのガタを点検するのですが、ステアリングにかなりのガタがありました。
この車種のステアリングラックのガタつきの場合ほとんどが固定部分のブッシュの劣化です。
そのままにしておくとハンドルの遊びが大きくなり、危険な状態になります。
ブッシュのみの部品設定はなくステアリングラックASSY交換になります。
ステアリングギヤボックス(ラック)交換手順
- まずハンドルを真っすぐの状態で固定します。(ハンドル自体をテープなどで動かないようにします。)
- タイロッドエンド左右を外します。
- ラックのホースとパイプのフレアナットを緩めてオイルを抜きます。
- ステアリングシャフトのボルトを外してシャフトを抜きます。
- メンバーに取り付けられているエンジンマウントを外します。
- スタビライザーを外します。
- メンバーのボルトを緩めてギリギリまで下げます。
- ステアリングラックの取り付けボルトを外します。
- ステアリングラックをメンバーとボディの隙間から抜きます。
- タイロッドエンドをリビルト品に移植します。
- 外した逆の順番でステアリングラック取り付けます。
- パワステオイルを補充してエア抜きをします。
- ハンドル位置、サイドスリップを調整します。
ラックの取り外し
スタビライザーのリンクを外します。
ギヤボックスのホースを外してオイルを抜きます。
ステアリングシャフトを止めているボルトを外してスプラインを抜きます。
左右2本づつの取付ボルトを外し、スタビライザーをメンバーから外します。
ステアリングラックの取付ボルトを外します。
(ボルト&ナットになっているので下から緩めます。)
ステアリングラックをメンバーから引き抜きます。
マフラーが少し邪魔ですが何とか外れます。
ステアリングラックの取付
外れたら
タイロッドエンドの長さを図っておくか、ねじ山の数を数えておきます。
タイロッドエンドを元々の長さで取り付けます。
ナットは完全に締め付けず、仮止めしておきます。(後で調整するため)
あとは外した逆の手順で取り付けていきます。
- ステアリングラック
- エンジンマウント
- スタビライザー
の順番で取り付けます。
パワステポンプの交換
パワステポンプもオイルが滲んでいるのと、少し異音が出ているのでリビルト品に交換します。
パワステポンプに付いているホースを2本外します。
プーリーの隙間から取り付けボルト2本を緩めます。
パワステポンプを外します。
ボルトの穴に切れ目が入っているため、取付ボルトを完全に引き抜かなくてもポンプが外せます。
リビルト品のパワステポンプを取り付けます。
リンク
パワーステアリングオイルの補充とエア抜き
オイルをリザーブタンクに補充します。
エンジンをかけずにハンドルを左右に4~5回くらい切ります。
次にエンジンをかけてすぐに止めます。
この時オイルが一気に吸い込まれますので、エンジンをすぐに止めてオイルを補充します。
(2~3回繰り返す)
ハンドル位置サイドスリップの調整
最後に試運転をしてハンドル位置を点検します。
ハンドル位置を点検したらサイドスリップを調整します。
(大きくずれていると、合わせるのに手こずります。)
今後の作業に参考になればと思います。
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