ある朝、急いで出かけようとしたその時、エンジンが…まさかの反応なし!原因はバッテリー上がりでした。
そして、新品に交換しても、また同じ現象が繰り返される…こんな経験はありませんか?
今回のブログでは、バッテリーがすぐに上がってしまう車両の点検方法と、私が実際に遭遇した修理事例を紹介します。
多くの自動車所有者や整備士が直面するこの問題。一体、何が原因なのか、そしてどのように対処すればいいのか。詳しく解説していきますので、最後までお付き合いください!
1日でバッテリーが上がってしまう H18年式アトラス
バッテリーは新品なので、とりあえあず充電系統を点検します。
- 充電電圧 14.1V(ボルト)
- 充電電流(無負荷状態) 9.5A(アンペア)
- 充電電流(負荷をかけた状態)で40A(アンペア)前後
充電量は問題ないと判断しました。
- 暗電流を測定します。
測定してみると330mA(ミリアンペア)もありました。正常な状態であれば10~20mAぐらいだと思います。
暗電流の測定方法
- バッテリーのマイナス端子を外す
- バッテリーマイナス端子と外したバッテリーターミナルにテスター棒を当てます。
- 電流値を読みます。
暗電流の基準は車種によって異なります。高級車など大きい車だと暗電流は高くなりますが
高くても40mA(ミリアンペア)ぐらいだと思います。
暗電流測定用 デジタルクランプメーター
最近の車はむやみにバッテリー端子を外すと初期セットなどが必要になりますのでクランプ式の暗電流測定用のテスターを使うとかなり楽に点検できます。
原因
では原因を究明していきます。
まずヒューズを1個づつ抜いて電流値が下がるか見ていきますがどれを抜いても変わりません。
オルタネータ(発電機)の漏電かなと思いカプラーとB端子を外しましたが変わりませんでした。
次にスターターの端子を外そうと動かした瞬間に電流値が下がりました。
スターターを外してみると”焦げたような跡”があり配線の被服が溶けていました。
むき出しになった配線がスターターに当たってショートしていたようです。
修理
配線の修理とスターター交換をして完了しました。
配線の修理は配線の焦げた部分を切り落として、新しく同じ太さの配線を探して繋げました。
暗電流は20mAに下がりました。原因はスターターの故障でスターター電流が高くなり熱で配線の被覆を溶かし、そこから漏電したものと思われます。
間でバッテリーが上がってしまう H17年式 日野デュトロ
充電系統の点検
原因究明
1~2週間でバッテリーが上がる H14年式 アトラス
あまり使用していない車両ですが、1~2週間で上がってしまうのは少し早い気がします。
漏電が原因だと思いますが、とりあえず基本的なところから点検していきます。
充電量の点検
- 充電電圧 14.3V(ボルト)
- 充電電流(無負荷状態) 9.2A (アンペア)
- 充電電流(負荷をかけた状態)41.0A(アンペア)
暗電流の点検
暗電流を測定すると52mA(ミリアンペア)でした。
完全に異常な数値ではないですが、この車種にしては高いと思います。
原因の究明
まず助手席にあるヒューズボックスのヒューズを順番に抜いていき、暗電流の数値が下がるか点検します。
そうするとルームランプのヒューズを抜いた時数値が下がりました。
ルームランプの不具合でしょうか?
ルームランプ本体のカプラーを外しましたが、数値は下がりませんでした。
次にドアのカーテシスイッチを外してみましたが数値は下がらず、ルームランプ関係の配線を点検しましたが、配線を噛みこんでいるなどの異常はありませんでした。
あとは配線図を見ながら判断することになるのですが、とりあえず簡単に外せそうなユニットのカプラーを抜いてみます。
すると運転席にあるシフトコントロールユニットのカプラーを抜いた時、暗電流の数値が13mA(ミリアンペア)に下がりました。
原因はこのユニットにあるようです。
以前から不具合の多い箇所なのですが、”シフトレバーが動かなくなる””などの症状が多く
このような故障の仕方は初めてです。
ユニットを新品に交換すると暗電流は13mA(ミリアンペア)に下がりました。
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