こんにちは。今回はスズキ エブリィバン(DA64)のエアコン修理事例を紹介します。
症状は、エンジンを掛けて走り始めはエアコンが効いているが、しばらく走行していると効かなくなるといいます。
実際に走行してみると最初は十分に冷えていましたが、10分ぐらいすると徐々に風がぬるくなってきました。
どうやらコンプレッサーが途中で止まってしまうようです。
マグネットクラッチ電源の点検
車を止めてエンジンルームをあけてコンプレッサーを確認すると、やはり回っていませんでした。
そこでマグネットクラッチまで電源がきているか点検すると、正常にきていました。
電源に問題が無いとすると、その先のマグネットクラッチに問題があることになります。
マグネットクラッチの抵抗値の点検
マグネットクラッチに問題がありそうなので、単体点検をします。
マグネットクラッチのカプラーを外し、カプラーとアース間の抵抗値を測定します。
抵抗値は4.6Ω(オーム)でした。少し高いと思いましたが、不具合が出るほどではないです。
マグネットクラッチのギャップ点検
マグネットクラッチのギャップはシックネスゲージを使って点検します。
プーリーとクラッチの間の隙間を測定します。
測定すると0.95mmで広すぎでNGでした。(新品は0.35mm)
コンプレッサーの交換
この車両は走行距離が10万キロを超えていて、年式も新車から10年以上経過しているので、コンプレッサーごと交換することにしました。
エアコンガスの回収
ガスが入ったままコンプレッサーを外してしまうと、大気中にガスが放出されて環境汚染につながるため、回収が義務付けられています。専用の回収機使用してガスを回収してから作業に移ります。
コンプレッサーの取り外し
コンプレッサー下のボルトを緩めます。
コンプレッサー上のベルトアジャスターのボルトを緩めて、クーラーベルトを外します。
高圧、低圧のパイプを外し、コンプレッサー上下のボルトを完全に外します。
古いコンプレッサーを車両から取り外します。
コンプレッサーの取り付け
新品のコンプレッサーを用意します。高圧と低圧の穴にふたがしてありますが、すぐに外さずに車両に取り付けてから外します。
真空引き
マニホールドゲージと真空ポンプを繋ぎ15分くらい真空引きを行います。
エアコンガスの充填
- 真空引きが終わったらマニホールドゲージにエアコンガスの缶をつなぎます。
- ガスをつないだらマニホールドゲージの高圧バルブを開いてすぐに閉じます。(以降高圧バルブは触らない)
- 低圧バルブを開きます。
- エンジンを掛けてエアコンスイッチを入れます。
- エアコンガスを200g×2缶充填します。(車種によって充填量は違います)
- 冷えているか確認
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